マンションの大規模修繕では、「長期修繕計画」を必要不可欠としています。しかし、ただ長期修繕計画書を作成すれば良いというわけではなく、いくつか確認しなければならないポイントがあります。そこで、長期修繕計画書で確認すべき三つのポイントについて解説します。

長期修繕計画が適度に見直されているかどうか

長期修繕計画が適度に見直されているかどうか

一つ目のポイントは、長期修繕計画が「適度に見直されているかどうか」を確認することです。何十年も、同じ周期や内容で長期修繕計画が運用されている場合、早期に見直す必要があります。

大規模修繕工事は、繰り返すごとに、つまり新築から時間が経過するごとに点検や修繕が必要なポイントが増えてきます。また、前回以前の大規模修繕や設備点検などの際に何らかの問題が見つかっている場合、計画済みの長期修繕計画のままでは間に合わない、あるいは不要な工事を含めてしまっている可能性があります。

長期修繕計画は、5年に一度のペースで見直すことをおすすめします。

修繕積立金が十分であるか

二つ目のポイントは「修繕積立金が十分であるか」です。修繕積立金は大規模修繕工事に必要な費用を、長い時間をかけて少しずつ積み立てるものです。大規模修繕工事に関して発生する費用はここから切り崩して賄うのですが、どのケースにおいても必ずしも十分な修繕積立金を用意できているわけではありません。

計画の見直しなどが不十分で、前回以前の計画と同程度の修繕積立金で運用すると、工事の項目が増えたなどの理由により修繕積立金で工事費用を賄えないことがあります。この場合、金融機関からの借り入れや高額な一時金の徴収が必要になってしまいます。そうなる前に計画を見直して修繕積立金の規模を変更するか、自治体が実施している大規模修繕向きの補助金などの利用を検討してください。

必要な工事が含まれており、不要な工事が含まれていないか

必要な工事が含まれており、不要な工事が含まれていないか

三つ目のポイントは「工事内容に過不足がないか」ということです。大規模修繕工事は「大規模」というだけあって、複数の工事を一度に行うことが多いです。

「複数の工事」と言いましたが、その内容に問題があると大規模修繕工事に問題が生じます。例えば、給排水の仕組みを修繕するのではなく、最新の設備に入れ替える工事を提案するとします。

その場合に、その工事は緊急性があるのかどうか、必要なものだとしても他に必要なものを差し置いてまで導入する必要があるのかを判断しなければなりません。工事内容は修繕積立金などお金の問題にも直結しますので、必ず必要な工事をきちんと計画に盛り込み、緊急性が低いものは優先順位を下げる措置をする必要があります。

長期修繕計画はただ計画すれば良いというわけではなく、必要な事項を盛り込み、定期的に計画を見直す必要があることがわかると思います。最初から「長期修繕計画がない」というケースも珍しくありません。長期修繕計画の存在を確認し、必要に応じて計画を見直してください。マンションの大規模修繕のコンサルティング依頼は株式会社創和三幸設計が承ります。

株式会社創和三幸設計では、マンション大規模修繕工事において、最も大切なものは、マンションコンサルタント会社(設計会社)とマンション管理組合(理事会)との信頼関係であると考えています。だからこそ、居住者・管理組合の立場にたち本当に必要な修繕工事を立案いたします。